2006年で3回目の開催となるラリージャパン。私自身は04年以来2度目の観戦となります。 初開催の時は、そのメモリアルな瞬間の一部始終を見て回ろうと連日奔走したわけですが、今回は趣向を変え、陸別町を根城にラリーをしゃぶりつくそうというのが基本コンセプトです。 8月31日 早朝5時前には起きて、7時の飛行機で羽田から新千歳空港へ。そこから電車で南千歳駅を経て帯広駅に着いたのが昼前。残念ながらシェイクダウンはもう終了ですが、セレモニアルスタートには充分間に合う時間帯です。とかち帯広空港という交通手段もないことはないのですがほとんどツアーに占拠されているので良い便を選ぶことができませんでした。一方発着の多い新千歳のほうが選択肢はいろいろありますが、電車の移動が長いのがネックではあります。朝が早かった私はグリーン券奮発で眠気を少しでも軽くするようにしました。 さて、とりあえず駅で豚丼を食べてからセレモニアルスタート会場となる市の大通りを偵察してみると、まだまだこれからスタート台やスタンド席を設置するところでした。しかし沿道の席取り合戦は既に始まっている様子。でもそこまで必死になる気はないのでいったん北愛国のサービスパークへ。 パーク内ではシェイクダウンを終えた各車がテントの下で整備を受けています。テント群を一通り見物した後、物販エリアで限定グッズなどチェックしました。ちょっと雨がひどくなってきたのでこの場は退散することにして、再び帯広駅前に戻ったのが3時過ぎ。すると移動の間になんとか雨もやみました。この時間になるとパレード沿道も段々良い場所は埋まってきているようです。そこで私も、スタート台のすぐ先、アーケード街との交差点に陣取ることにしました。スタート台の選手は見えませんがこの周辺は通路がクランク状に設定されているので、走ってくるマシンを捕らえるには結構いいポジションです。もちろん持久戦に備えた食料の購入にもぬかりはありません。 左隣のご家族は帯広の親類と連れ立ってきた千葉市からのご家族、同県人とこんなところで会っちゃいましたよ。すぐ横のステージではアトラクションの太鼓やら踊りで地元有志がスタートまでの時間を盛り上げてくれています。時間つぶしにはとてもいい場所です。 そうこうしているうちに、サイン会エリアにマシンが勢ぞろいしたとの情報あり。場所をキープしたまま大急ぎでスタート台の後方に向かいます。すると、いるいる。WRカーが大集合しています。なんぼか写真は撮りましたが、ドライバーにサインをもらうにはかなりの競争率なので、この場はあきらめてまたキープ地に戻りました。 そしていよいよスタートとなるわけですが、こうしたセレモニーにありがちな誰だか知らん来賓紹介やスピーチが延々と続くこともなくサクサク進行します。気になったのが間近にいた某ビデオマニア。自分が昼過ぎから場所キープをしていたとしきりに連呼して、自分のビデオの視界に報道が入る状況を非難しています。心情は理解できないでもないですけど、より多くの人によりよい映像を送らなければならない立場の人になんのかんの言うのはあまり褒められたものではないですね。 ゼッケン末尾からスタートして、徐々に盛り上がりをみせ、いよいよWRカー軍団の登場となってセレモニーも最高潮に達します。ローブ、ソルベルグ、グロンホルム、そして新井。これから繰り広げられるであろう劇走を期待して旗振り手振り送り出す沿道の大観衆。もうこの瞬間だけで来てよかったって感じです。 最後のローブを見送った後、陸別の知人と落ち合います。宿泊施設の少ない陸別なので、私はこの知人宅にごやっかいになることになっていました。陸別に着いてインフォブースに立ち寄りますとあの浜田氏以下「陸別成功させる会」の皆様が詰めております。早朝のステージ観戦のために真夜中から移動するファンもいるので、インフォブースは24時間営業なのです。お疲れ様です。なんかラム肉を網焼きにしてみなさん食べてますぜ。えっ私もいいんですか?すんません頂きます。 ところでこのブースには私の「らりQ」のラリーカーイラストが掲げられていたのですが訪問された方は気づいたでしょうか? ![]() 9月1日 競技初日、朝5時起床。夜更かしをしていないとはいえ、2日連続の早起きは厳しいです。でも、知人一家のみなさんもラリーのインフォやマーシャルや屋台のために早朝から出ています。 陸別ステージはいくつもの観戦ポイントがあるのですが、初年度はスタンド席でしか見る機会がなかったので、今年はまず奥へ向かうことを決めていました。入場後は交流広場と称する芝生スペースの裏手のシャトルバスへ、バスを降りてから更に観戦場所に行くにはアップダウンのあるケモノ道のようなルートを少々通ります。昨日雨が降ったこともあり、ちょっとぬかるみ気味で転びそう。「観戦は山歩きの服装が基本」という留意事項はマジです。ちなみに刺されはしませんでしたが蜂がいっぱい飛んでいました。 さて、首尾よくCエリアのS字カーブがよく見える観戦ポイントを確保。ひたすら待つのも厳しいので、まずコンビニで買った食事をぱくつき、あとは他の2日でいろいろ見て回るプランを練るため場所をキープしたまま各エリアの偵察へ。Bエリアはウォータースプラッシュ(陸別じゃぱーん)と観戦エリアを囲むようなカーブが特徴ですが、一台一台をじっくり見れるポイントではなさそうなのでとりあえずパス。 競技時間が近づくにつれ各エリアはフェンスの最前列いっぱいがほぼ人で埋まっている状況となってきましたが、平日ということもあってか、立ち見なら無理なくマシンを見ることができそうな感じ。天候は晴れたり曇ったり。晴れると暑くて曇ると寒いという着衣の調整がとっても難しいコンディションです。 そしていよいよ、00カーや0カーが通過し、本番が始まります。スタートはWRカーから。観戦エリア別にMCがいて、誰がスタートしたとか状況を知らせてくれるので、けっこう助かります。 それにしてもWRカー凄すぎ!泥石がアウト側にバシバシ跳ね飛ばされ、当たると痛いです。カメラのレンズも直撃くらったらやばそうな感じで、シャッター押したら即、カメラを首振って横に向けました。リュックはあっという間にまるで豹柄であるかのように茶色の斑点で埋まっていました。ところで今回写真記録用に持って行ったのは一眼レフのデジカメでしたがズームレンズを持ってくるのを思いっきり忘れてしまいましたorz。なのでそもそもスタンド席のようなパノラミックなエリアでは車が豆粒のようにしか写らず、どうしても接近して見れるエリアでしか撮影ができない状況でした。あとエアホーンも持ってきたかったのに忘れたよ。 だいたい走行順が中位集団に差し掛かったところで、朝から陣取っていたこのCエリアを抜けBエリア更にAエリアと動いてみることにしました。CからBへの移動導線の途中でもコースに沿っていけるところがあってなかなかいい観戦ポイントとなっています。じゃぱーん前に到着し、10台くらいインプやランサーが通るのを見てみます。ここで長居せず、このままAへと動きますが、この途中もマシンと平行に移動できるのがちょっと楽しい。ほどなくスタートポイントに到着しました。 気がつくと知人の家族がスタート地点の連絡員として詰めています。ご苦労様です。イグニスやヤリスなど下位ゼッケンを見送ると、午後のSSまではちょっと長いインターバルとなります。 午後はこのスタート地点を見ることに決め、スタートラインを真横に見下ろす場所に陣取りました。ここは去年にはなかった観戦アングルだとか。途中、全車が通った後に掘れてわだちになったスタートライン周辺を、ショベルカーがならして修復していました。その細やかな操縦テクニックにはほれぼれします。朝早くて超疲れたので、ちょっとここで寝ます。ぐー。 すこし休むともう昼だったので、場所キープのままシャトルバスで交流広場の屋台に繰り出します。豚丼がやはり一番人気ですがとりあえずカレーライスを食べます。その他物販や企業ブースもひととおり見て、Aに戻るとまたもうひと眠り。 そんなこんなで午後のSS6がスタートです。 WRカーがスタート地点前で数珠つなぎに順番を待つような絵を想像していましたが、観戦エリアよりかなり向こうにタイムコントロールがあるため、見える範囲ではスタートするすぐ次の一台がスタンバイしている程度でした。どうもサインを貰える機会はここではなさそうノ残念。まあこれはこれで一台ずつ落ち着いて写真撮影できます。上から各車見下ろすアングルですが同じ高さだったらきっと選手は気が散るので仕方がないのでしょう。 競技が始まるとここでもWRカーの凄さを実感です。ものすごい轟音と猛ダッシュでトップグループが通過した後は、奴田原や大井こずゑさんあたりを見送って、またまた移動です。 今度はFエリアまで戻ってスタンド観戦と決め込みます。トップグループがもう行ってしまったため、スタンドも徐々に空きができつつありました。ラストまで見たら、オフィシャルの解散を待って知人らと帰宅。一日、寒かったり暑かったりと天候が猫の目で、ちょっと体の調子を崩しました。頭痛薬を飲んで就寝です。 ![]() 9月2日 また今日も早起きです。今日は昨日の偵察の結果を受けてDエリアの観戦でスタートすることになりました。シャトルバスが通る舗装道路の路肩がけっこういいアングルで、右コーナーを抜けながら視界に入ってきたあと、左の下りコーナーへと突っ込んでいくお尻までが一連の流れで見れます。路肩だけど一応通路以上の幅を囲っていて観戦者がとどまって見れるようになっています。ビデオ撮影にはすごく良さそう。 朝はもやがかかっていたのにいつのまにか快晴。ここは道路上で隔てるものがないので日が出るとけっこう暑いです。でもその一方、舗装道路はビニールシートを敷けば非常に居心地よく待ち時間を過ごすことができます。ここで今日もコンビニで仕入れたサンドイッチで朝ごはんです。 すさまじいWRカーからへろへろな末尾までひととおり観戦した後、会場の交流広場に戻って昼ごはん(今日は豚丼)と木陰で昼寝。いい気持ちです。12時になると陸別サーキットの本来の使い方であるバギーやATVの模擬レースが行われ、観客の関心をひいていました。ドライバーには関東から来た人もいたようです。 しばらくのんびりした後、リエゾンを見る為に会場を出ることにします。これも、ステージを見て回るのに精一杯だった前回はほとんどできなかったこと。しかし気がつくとデジカメの電池が切れそうです。ゲゲッ、交換しないと!急いで知人宅に戻りましたが予備で持ってきていたと思ったバッテリーが見当たりません。どうやらこれも忘れ物だったようです。今回の準備はボロボロですノ。メモリーカードも512MBを2枚持っていったのですが、どんどん消費しているので、失敗してたり下位グループを撮った画像は申し訳ないけど容赦なく削除。ここからは一枚一枚写真を撮るごとにメインスイッチも切りつつ大事に使わないと。 知人宅からインフォに行ってみます。午後の観戦のために来た人々が、空いている駐車場はどこなのかと大勢立ち寄ってきました。今日は土曜日ということもあり、既に4つある無料駐車場のうち3つは満杯となったとかで結構な入りようのようです。 インフォの前を000カーが通過したので、サーキットから国道に合流する交差点に陣取り、競技車の通過を待つことにします。見た目はこれが世界の舞台とは思えない、つぶれたガソリンスタンドとコンビニが対角にある交差点。すぐ横にはつい先日廃線となったふるさと銀河線の駅がそのまま道の駅として使われています。あの松本零士ペイント車両はまるで今にも出発するかのように、裏手のホームに普通に停車(動態保存)しています。過疎化と自動車の普及がもたらした廃線ですが、復活の日を心から願っています。 さて、まもなくやってきたのは00カーのコルト。われわれの声援に応えたと思ったら、そのまま角のコンビニに駐車して買い物です(おい)。しばらくして0カーが通り過ぎたあとは、ついに、フォード勢、マンフレッドのプジョー、そして3台で隊列を組むスバルなどが続々と交差点を通り過ぎていきます。こんな普通の道を普通に通り過ぎるラリーカー達!私が夢にまで見たの情景はこれですよ!ここの交差点は行きも帰りも使うルートとなっているので、撮影のチャンスもいろいろあって嬉しい場所でした。でもポーランド人のインプは、交差点左折で間違って道路の右側に進入して信号待ちの車と正面衝突しそうになりました。日本は左側通行ですよ? 有名どころには、赤信号で停車したとみるやサインを求める人垣が溢れます。かくいう私も、グロンホルムと新井にサインをせびりました。気が張っているとは思ったけどごめんなさい。 午後の2度目の陸別SSからトップグループが戻る頃というのは、観客もそろそろ帰り支度です。陸別のみなさんは総出で街頭に出て選手に旗を振っていましたが、最後は選手だけでなく帰る観客の皆さんへも手を振りはじめます。今日で陸別ステージは終わり。みなさんまた来年ぜひ会いましょう、という惜別の気持ちの表れというところでしょうか。特に団体バスにはエアホーンまで鳴らしての送り出しです。出て行く人もみな会釈や手を振って返して、なんだか私もちょっと目頭が熱くなっちゃいました。最後にスイーパーが出て行くと、町民のみなさんもようやく引っ込みます。 ところで、私が見ていなかった時の陸別ステージ内では新井がプレスの車を引っ掛け骨折させるという事件が発生していました。しかし、調査の結果、このプレスは所定の撮影ポイントにはいなかったらしいことが判明し、また同日夜には入院した本人からも、新井に「責任は自分にあるので気にせず頑張ってください」というコメントが寄せられたとか。致死傷とかでなくて、まずは一安心というところです。 この日はもうひとつおまけ。知人一家と陸別町の天文台にお出かけしました。空気の澄んだ陸別は、星もとてもよく見えます。二重星や星雲、月面の様子などを堪能し、売店ではここの望遠鏡で撮影したプレアデス星団(=スバル)の写真をおみやげに買いました。 ![]() 9月3日 今日は陸別の皆さんもステージ運営の業務から開放されてほっとひと息。浜田氏以下連れだって観戦&終了後のセレモニー参加のために帯広行きということで、私も便乗させていただきました。帯広に行く途中、SS1等に使用されたパウセカムイの使用後の様子を浜田氏がチェックしたいというので、ラリーカーが走ったコースを氏自らが走って路面や路肩を見ていました。今後に向けての構想などもいろいろ渦巻いている様子。 北愛国サービスパークに着くと、陸別で見たバギーとATVの一団がスタンバイしているのを発見。今日のスーパーSSでも走ることを知る。浜田氏はそのままバギーのデモの準備に詰めるそうな。その他メンバーはスーパーSSを観戦です。スーパーSSは、以前の札内ステージよりずっとコンパクトで、箱庭じみた感じですが、全体が見渡せるという意味では良いコースになったのかも。コースが小さくなると必然的にスタンド席自体も少ないのはネックですが。 このスーパーSSまでの合計タイムが、トップのローブと2位のグロンホルムでわずか5秒程だとの情報あり。すごいことです。SS400キロあまりを走った差が5秒!普通ありえません。ローブがヘマしたらグロンホルムに優勝が転がり込むというなかなかのお膳立てのラストSSとなりました。そしてそんな緊張感はさておきバギーとATVのデモランが場内を沸かせています。コースが狭くてガードレールで挟まれているのでちょっと走りにくそう。と思ったらこんどはスバルの広報がむりやりスタンド人員総動員ででっかいスバルの旗を広げさせられました。お礼にソルベルグのサインくれ。 さてSSがいよいよスタート、トップカテゴリーの下位からなので、ストールや新井(ソルベルグも下位ノ)などから出走します。そしてついに総合1、2位対決となるローブvsグロンホルムの直接対決の時が!スタートした両車は一周目を終えてインとアウトが入れ替わってもあまり差がみられません。そして遂に、このSSでもローブはグロンホルムを鼻差で抑え、総合首位キープのまま第3回ラリージャパンの勝者となったのでした。 勝ってポディウムに上がったローブらの頭には「闘●魂」のハチマキが!おちゃめっぽいジャパーンな〆め方ですね! ああ、しかし、そんな間にも、私が帯広を発たねばならない時刻が近づいていました。浜田氏も「フェアウェルパーティーまでいたら楽しいぞ!」と言ってはくれたのですが、木金含みで4日休むのが精一杯な一介のサラリーマンにはなかなか厳しいですノ。後ろ髪をひかれながら知人に駅まで送って頂いたのでした。こうして帰途に着いた私は、短くも充実の4日間を過ごすことができたのです。 今回のラリージャパンは、毎日新聞という大スポンサーが下りたため低コストで運営せざるを得ず、地域の方々の地道なサポートなくしては成り立たなかったということはあるにせよ、モンテカルロラリーと同一線上に帯広や新得、陸別があるという事実を思うとき、これを運営できる人は幸せだと言うしかありません。創意工夫を重ねてより利便の高いラリーへと継続的に開催実績を重ねていくことが、WRCというイベントの国内における認知度を上げ、ファンが増えればさらに集客力も上がるという好循環を大いに期待します。そしていずれは、世界的ドライバーの走りを目に焼き付けた若者がWRCのチャンピオン争いをするようになれば! もどる |